あらすじ
「アリシア・ローゼンタール! 平民出の弱き者を虐げるような悪女との婚約は、今日限りで破棄させてもらう!」
建国記念の華やかな夜会。
王国の第二王子アルベルトから、一方的な婚約破棄を突きつけられたローゼンタール伯爵令嬢アリシア。
理由は、彼が寵愛する平民上がりの女官をいじめたから――もちろん、そんなものは彼女の自作自演による真っ赤な濡れ衣だった。
次期王妃として誰よりも厳しく自分を律し、国のために尽くしてきたアリシアだったが、弁明すら許されず、社交界では悪女のレッテルを貼られてしまう。
名誉は地に落ち、実家からも厄介者扱いされかけた彼女に、一通の招待状が届く。
送り主は、その冷酷無慈悲な振る舞いから「氷の公爵」と恐れられる若き英雄、クレイグ・シュトラウス。
「お前を私の妻として迎え入れる。契約でも、形だけでも構わない。俺の隣に立て」
有無を言わせぬ公爵の命令。断る権利などなく、震えながら嫁いだアリシアだったが――。
「少し痩せたな。専属の料理長を呼ぼう」
「ドレスが地味だ。この店の新作を全て包ませろ」
「君を傷つけた者たちには、相応の報いを受けさせた。もう怯えなくていい」
冷酷なはずの公爵様の提案は、想定外に甘くて過保護で……!?
一方、アリシアという優秀な支えを失った王太子派の政務は崩壊。事の重大さに気付いた愚かな元婚約者が「やり直してほしい」と泣きついてくるが、不器用で最強の旦那様がそれを絶対に許さなくて――。
これは、どん底に落とされた気高き令嬢が、冷徹公爵の底なしの溺愛に包まれ、最高の幸せを掴むまでの物語。