あらすじ
ある日突然、人は“花”になった。
原因不明、治療法なし。世界中の人々は次々と花へ変わり、やがて文明は崩壊した。
そんな世界で、花にならなかった少女・ひなは、今日も花へ水をやっていた。
花になった母。花になった友人たち。もう戻らないかもしれない人たち。
それでも枯れてほしくなくて、ひなは一人、水をあげ続けていた。
そんなある日。花だらけの街で、ひとりの旅人と出会う。
彼は花を見るだけで、その人がどんな人間だったのかを言い当てた。
「デルフィニウムか。優しい母親だったんだろ」
なぜ彼は花を知っているのか。なぜ人は花になるのか。そして、花になった人々は本当に“死んでいる”のか。
終わった世界を旅する、少女と旅人の終末幻想譚。