あらすじ
嫁入り道具として持ち込んだ宝飾品だけを婚家に取り上げられ、夫には宝石商の娘との恋を告げられた伯爵家の妻。
実家さえ彼女ではなく宝石の返還だけを気にかけ、彼女はようやく、自分が家と家を飾るための箱でしかなかったのだと知る。
離縁後、行き場を失った彼女が辿り着いたのは、割れた硝子を溶かし直し、色硝子として蘇らせる小さな工房だった。
寡黙な工房主とともに、彼女は砕かれた欠片を拾い、窓辺に光を戻し、やがて色硝子の街を作っていく。
これは、奪われた宝石よりも美しい光を、自分の手で生み出していく女主人の物語。