あらすじ

「普通」が嫌いだった。 佐藤楓は、人と同じであることへの反発を胸の奥に飼いながら、それを誰にも言えないまま毎日をやり過ごしている。異常であることを異常と断じる世界が嫌いで、それでも世界の外へは出られない自分も、どこかで嫌いだった。 濤川翔壱は、毎朝「濤川翔壱」になる。周りが望む自分を纏い、ここに存在を許された自分として笑う。本当の自分が何なのか、もうずっと、考えないようにしていた。 同じ制服、同じ教室、それだけが二人の共通点のはずだった。 しかしある出来事をきっかけに、楓の中のとげが揺れ、翔壱の仮面に罅が入る。似ているようで全く違う二人は、互いの中に自分が持っていないものを見つけ、やがて引き寄せられていく。 これは、普通じゃない二人が、普通じゃない形で、それでも誰かを好きになった話だ。

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小説を読もう2026/05/17
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