あらすじ
山奥の小さな修道院で暮らす、気弱な見習い僧侶リオ。
祈りは下手、説法は噛む、人前に出るだけで胃が痛くなる普通の少年――のはずだった。
ただ一つ、問題がある。
極度の恐怖や精神的限界に達すると、なぜか毎回「ふわん」と意識が飛ぶのだ。
そして次に目を覚ます頃には、
凶暴な魔物は地面に伏せて服従し、
盗賊たちは人生を反省して号泣し、
市場の喧嘩は感動的和解を迎え、
果ては魔王まで土下座している。
しかも本人には、その間の記憶が一切ない。
周囲は口を揃えて言う。
「聖者の言葉に救われた」
「魂を見透かされた」
「世界の真理を説かれた」
だが当の本人は、
「いや知らない怖い怖い怖い!」
状態である。
本人不在のまま神格化されていく見習い僧侶と、
勝手に改心していく悪人たちと、
なぜか毎回ひれ伏す強者たち。
これは――
無自覚系救世主(本人は帰りたい)による、
勘違い救済ファンタジー。