あらすじ
神の祝福が存在する世界。祝福を受けた者は奇跡を手にする。病は癒え、傷は塞がり、人を超えた力すら得られる。
だがその代償として人は少しずつ神に近づいてしまう。肉体は異形へ変わり、祈りの声に侵され、やがて人ではなくなる。
主人公エドはそんな祝福者を処理する教会直属の祝福解体師。神に愛されすぎた者を殺し、解体し、滅する。必要とされながらも忌み嫌われる短命の処刑人だった。
ある日エドは、「第二聖女リシア」の監視任務を命じられる。病を癒やし、奇跡を起こし、人々から崇拝される聖女。しかし彼女の周囲では、原因不明の祝福化が急増していた。
夜ごと響く鐘の音。
街に広がる異形の祈り。
地下聖堂に隠された“神の遺骸”。
そしてエドの耳にも、いつしか声が聞こえ始める。
「――近い」
これは、人間を救おうとした何かと、最後まで人間であろうとする解体師の物語。