あらすじ
「時代遅れ」と解雇された宮廷魔導師のリア、三十二歳。
動揺ゼロ。未練ゼロ。退職金を交渉してその日のうちに王都を去る。
辺境の荒れ地で魔素を調べたリアは、ふと思う。
「この魔法が弱かったのではなく、王都が合わなかっただけだったのか」
十五年間、誰にも証明できなかった答えが、ここにあった。
薬草園を始めたリアは、誰に認められなくても、今日も淡々と畑を耕す。
でも気づいたら——幻の薬草が育ち、隣国とも取引が始まり、王宮が焦り始めていた。
さらに視察に来た第三王子が、なぜか何度も畑に顔を出すようになっていた。
「先生、あの方絶対に好きですよ」とエミに言われても、リアは「そうですか」と返すだけ。
本人は今日も、収穫が忙しい。