あらすじ

小六の修学旅行前、トキは少し怖い場所にあるCDショップで、五百円の黄色い紙ジャケットを手にする。 それは、Sex PistolsのCDだった。 意味も、時代も、音楽の正しさも分からない。 ただ、その音だけは嘘じゃないと思った。 中学に入り、周りとの距離、言葉にならない恋、受験、英語、文化祭、そしてベースの低い音が、少しずつトキの中に沈んでいく。 ギターは弾ける。 耳もいい。 でも、本当に欲しい音にはまだ届かない。 分かるようになったからこそ、鳴らせないことまで分かってしまう。 これは、別作品『悪くなかった:https://kakuyomu.jp/works/2912051598793639893』へと続く前日譚。 のちにベーシストとしてSixxと出会うトキが、 まだ何者でもなかった頃、 古いJazz Bassを恩師から受け継ぎ、 いつか低いところで誰かと出会うまでの物語。 青春は、明るいだけじゃない。 楽しかったとも、戻りたいとも簡単には言えない。 それでも、人生の奥でずっと鳴り続ける音がある。

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カクヨム
カクヨム2026/05/16
  • 現在の作品黄色い紙ジャケット