あらすじ
【世界人口の99.9%がゾンビ化する、最悪のパンデミック。その崩壊を、俺はすべて知っている】
人類防衛軍の少佐として終末世界を戦い抜いた漢・長谷部雄介。
彼は軍監査部長・橘征司少将の汚職を内偵した罪により、合法的な口封じとして部隊丸ごとゾンビの群れへと投下され、無念の死を遂げた――はずだった。
「……パンデミック発生の、3ヶ月前か」
絶命した瞬間、長谷部が目覚めたのは、家賃6万2千円の会社員時代の自室。世界の崩壊まで、残り90日あまり。
二度目の人生、長谷部は即座に感傷を切り捨てる。
前世で死なせた27名の部下を今度こそ救うため。そして、宿敵・橘の喉笛を冷徹に掻き切るために。
莫大な資金を裏ルートから確保した長谷部は、紀伊半島の山奥に、高さ4メートルのコンクリート擁壁、瘴気を遮断する特殊フィルター、そして侵入者を確実に圧殺する二重ゲートと殺戮ゾーン(キルゾーン)を備えた**【絶対安全の要塞】**を極秘裏にビルドしていく。
やがて訪れる、ゼロ・デイ。
世界が悲鳴と血に染まる中、完璧な箱庭の中で元軍人の冷徹な生存戦略が牙を剥く。
信頼する部下たちにはPMCレベルの武装を与えて外郭(アウター)を守らせ、自身は人知れず隠し持った真の切り札を手に単独で暗躍。
時に「死闘」すら演出して絶対的な忠誠を掌握し、崩壊した世界で影の支配者(王)として君臨する。
「下がれ。ここからは――俺の領域だ」
これは、すべてを先読みした元指揮官が、冷徹なリアリズムと圧倒的な物量で終わる世界を支配し、宿敵を地獄へ叩き落とす復讐と城塞ビルドの物語。