あらすじ
雨の日が嫌いだった。
去年の春、雨の中で失恋してから、朝倉は雨が降るたび少しだけ世界に苛立つようになっていた。
そんな彼女に、なぜか毎回話しかけてくる同級生の瀬戸くん。
「入ってく?」
放課後、一本の傘から始まった関係は、
いつしか“雨の日だけ一緒に帰る”不思議な習慣になっていく。
晴れの日には話さない。
でも雨の日だけ、隣にいる。
その距離が心地よくなってしまった頃、
朝倉は気づいてしまう。
また誰かを好きになるのが、怖いということに。
雨音の中で少しずつ近づいていく、
臆病な二人のやさしい恋愛短編