あらすじ
慶応二年――寺田屋。
伏見奉行の襲撃を受けた坂本龍馬は、
激しい銃撃の中、
突如として光に飲み込まれる。
次に目を覚ました場所は、
百五十年後の日本だった。
夜でも昼のように明るい街。
空を駆ける鉄の箱。
掌の中で会話をする人々。
日本は確かに発展していた。
しかし龍馬は、
現代日本の中小製造業に深い違和感を覚える。
優れた技術を持ちながら、
挑戦を恐れる空気
属人化
後継者不足
技術流出
疲弊した現場
によって、
多くの企業が静かに衰退していた。
「日本は、まだ維新の途中ながじゃ」
龍馬は一人の若い技術者と出会い、
地方工場の再建へ乗り出す。
人を繋ぎ、
組織を動かし、
古い常識を壊していく龍馬。
やがて彼は、
現代日本を支えるのは
名もなき町工場と技術者たちであることを知る。
そして未来を見た龍馬は、
再び幕末へ戻る。
近江屋事件の夜。
歴史に消える直前、
龍馬は静かに笑う。
「日本は……まだまだこれからじゃ」
だが物語は終わらない。
令和の監視カメラには、
再び龍馬らしき男の姿が映っていた――。