あらすじ
余は魔王である。
最強である。
たぶん。
少なくとも、ここ数百年は負けておらん。
なので退屈していた。
勇者は来る。
毎回わりと来る。
だが、大体すぐ泣く。
あるいは叫ぶ。
もしくは死ぬ。
つまらん。
……と思っていたのだが。
今回来た勇者は少し変だった。
剣を持つ手は震えておるし、顔色も悪い。
今すぐ帰って布団に入った方がよさそうなくせに、なぜか逃げん。
「怖いです!!」
怖いなら帰ればよいではないか。
「でも来ないともっと嫌なんです!」
意味がわからん。
なので少し興味が湧いた。
これは、
最強すぎて退屈していた魔王と、
死ぬほど怖がりなくせに逃げない勇者アリアの話である。
最近、城がよく壊れる。