あらすじ
関東屈指の難コース『紅葉坂(もみじざか)』。
夜な夜な生粋のスポーツカーが集うこのダウンヒルで、一台の「時代遅れな旧車」が最新鋭のマシンたちを次々とコーナーの奥底へ沈めていた。
流麗なジウジアーロ・デザインのボディを持つ80年代のスペシャリティカー。
——いすゞ・ピアッツァ。
乗っているのは、昼間の社会生活で鬱憤を溜め込んだ3人の20代女性。
理不尽な顧客対応に耐えながら、夜の峠でアクセルを全開にする超攻撃的ドライバー・焔(ほむら)。
為替チャートの波を読むように、路面状況と敵の限界値を解析するナビゲーター・涼音(すずね)。
絶版パーツの壁と予算不足に、ワンオフ加工とプロの意地で立ち向かう天才メカニック・舞(まい)。
「あんな重たい骨董品に、負けるはずがない」
シビックType-R(EK9)やRX-7(FD3S)といった強敵たちが嘲笑う中、3人は絶妙なチームワークと大人の知恵、そして限界ギリギリの突っ込みで圧倒的な番狂わせ(ジャイアントキリング)を起こしていく。
明日も朝から仕事だけど、今夜のガソリンとタイヤは全部使い切る!
これは、崖っぷちの大人たちが意地と誇りを懸けて夜の峠を駆け抜ける、痛快な下剋上ストーリー。