あらすじ
アシェル辺境伯家から隣領のヴァルハイト伯爵家へ嫁いだエレオノーラ。しかしそこは、贅沢三昧の夫・ジュリアンとその一族によって破産寸前に追い込まれた腐敗領だった。
「実家で余っていた陰気な女」と罵られながらも、エレオノーラは持ち前の才覚で寝る間を惜しんで政務をこなし、裏から領地を支え続ける。
そんなある日、観測史上最大級の「ダンジョンの大氾濫(スタンピード)」が発生。
大量の魔獣が迫る報せを受けるや否や、ジュリアンたちは「面倒な戦後処理を押し付ける」ため、エレオノーラに領主権限を永久移譲する書類を掴ませ、財産と共に夜夜逃げしてしまう。
――捨てたのは貴方の方でしょう? ならば、すべて私が頂きます。
一人残されたエレオノーラだったが、悲しむどころか「寄生虫が消えた」と歓喜。これまで裏で仕込んできた完璧な防衛策と圧倒的な指揮能力で大氾濫を無傷で凌ぎきり、領民から「真の領主」「聖女」として爆発的な支持を得る。
その後、領地が見事に復興し、以前より遥かに栄えたことを知ったジュリアン一族が、再び美味しい汁を吸おうと堂々と戻ってくるが……。
「お帰りなさいませ。ですが、この領地の全ては私のものです。敵前逃亡犯の皆様、どうぞお引き取りを」
見捨てられた優秀令嬢が、法と民意で無能な婚家を完膚なきまでに叩き潰す、鮮やかな逆転劇(ざまぁ)が今始まる!