あらすじ
四十八歳独身の景司は、炊飯器を洗うのが嫌で、三食外食生活を続けていた。牛丼屋、ファミレス、コンビニを渡り歩き、「ぬめり回避」に人生と給料を注ぎ込む毎日。だが、食費は膨れ上がり、冷蔵庫では食材が次々と腐っていく。そんな景司が、宅食サービス、弁当生活、鍋料理との出会いを通じて、少しずつ生活を変えていく。
最初は「洗い物を減らしたい」だけだった。だが、米を炊き、弁当を詰め、冷蔵庫を空にし、人に鍋を振る舞ううちに、景司は気づいていく。暮らしとは、派手な成功ではなく、「明日の自分を少し楽にすること」の積み重ねなのだと。
深夜のファミレスに救われながらも、最後には「帰れば飯がある」幸福へ辿り着く景司。笑えて少し切なく、そして妙に温かい、“生活”再生ユーモア小説。