あらすじ
祖母を亡くし、一人で暮らしている相楽晴嵐。
誰にも縛られない代わりに、誰にも守られない生活を送っていた。
皆実夜雨は、教室の隅で静かに本を読む少女だった。
箱庭のような日常の中で、息を潜めるように生きている。
そんな彼女はある日、少しずつ晴嵐の部屋へ足を運ぶようになる。
夕飯の湯気。
古い本棚。
狭くても、どこか温かな部屋。
そこは、自由ではないけれど安らげる、雛鳥の巣のような場所だった。
囲われた鳥は空を夢見て、
自由な鳥は帰る場所を覚えていく。
いつか自分の羽で飛び立つために。
二人は少しずつ、互いに馴染んでいく。