あらすじ
推しの妻になれたら、幸せになれると思っていた。
複数の配偶者登録が認められた近未来の日本。
居酒屋で働く佐倉美緒は、長年推してきた国民的俳優・天城蓮の「第13妻」として登録される。
夢は叶った。
その他大勢のファンではなくなった。
彼の人生のどこかに、自分の名前が入った。
けれど、美緒は妻になっても天城姓を名乗れない。
世間には公表されない。
夫には、すでに十二人の妻がいる。
妻たちの間には序列があり、呼ばれる夜も、見てもらえる時間も、平等ではない。
最初は救いだった妻コミュニティも、やがて比較と嫉妬の場所に変わっていく。
これは、「推しの妻になりたい」という夢を叶えた女性が、
選ばれた幸福と、選ばれ続けなければならない地獄の中で、
少しずつ自分を見失っていく物語。