あらすじ

香が権力を決める、大正異史の帝都。 浅草の路地裏で偽香と薬を扱う灰原蓮は、毒、血、嘘、死の残り香を“視る”鼻を持っていた。 だが、その異常な鼻は祝福ではない。深く嗅ぐほど、世界は墨に沈み、心と身体が壊れていく。 ある雨の夜、香を焚いた形跡のない死体から、帝都の香を司る機関――|帝香院《ていこういん》の香が視えた。 証拠を持ち帰った蓮の前に現れたのは、黒漆の薙刀を携えた華族令嬢・香坂紗夜子。 美しく、冷たく、誰よりも香を理解しているはずの女。 しかし蓮には分かってしまう。 彼女には、人間の匂いがなかった。 香を嗅げない令嬢と、匂いを視る路地裏の調香師。 互いの秘密を握った二人は、香に隠された不可能犯罪へ踏み込んでいく。 煙と刃、嘘と毒。 そして、静寂から始まる大正香煙ミステリー。

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カクヨム
カクヨム2026/05/15
  • 現在の作品大正黄昏の香影録 〜匂いを視る路地裏の調香師と、香りを知らない華族令嬢〜