あらすじ
ワタシ、リリベット(エリアード)(五歳)は、かつて冒険者だった。
そしてフィニアスとは、相棒だった。
……なのに。
ある夜、彼が部屋に忍び込んできたせいで、ワタシは驚きーーそのまま死んだ。
次に目を覚ましたとき、ワタシは赤ん坊になっていて、なぜかそのフィニアスに育てられていた。
光の神の血を引きながら、一族を追放された男フィニアス。
問題だらけの彼は、その責任を取らされる形で、「ワタシを育てろ」と命じられたのだ。
世間の目は冷たく、助けてくれる者もいないまま、五年。
奇妙な共同生活の中で、ワタシは知る。
ーーこの男は、信用ならないが、放っておくともっと危ない。
そんなある日。
ワタシたちの前に現れたのは、
「名前がない」と名乗る、ひとりの女だった。
精霊もいないのに、風を操るその存在はーー
この世界の理を、静かに壊し始める。
これは、二度死んだ幼女と、問題児の元相棒と、
そして名を持たない風竜の、少し歪な旅の物語。