あらすじ

お詫び状が、また一通届いた。 これで二十四通目。 アデライドは、もう数えるのをやめたかった。 伯爵令嬢である彼女には、婚約者がいる。 けれど観劇の約束は妹に奪われ、同伴の席も妹に譲られてきた。 そのたびに届くのは、誠意の薄れていくお詫びの手紙だった。 六年。 家のために、彼女はずっと待つ側でいた。 ある日、弟の叙任が決まる。 家督の見通しがつき、彼女はようやく気づく。 もう、自分が我慢する理由はないのだと。 アデライドは声を荒らげない。 ただ、慣例どおりに振る舞うことを選ぶ。 席次、贈答、返礼、茶会の沈黙。 礼法だけを使って、彼女は静かに動きはじめる。 そして、ずっと彼女を見ていた人がいた。 踏み込まず、ただ見守っていた侯爵が、ひとり。 数えることは、屈辱なのか。 それとも、彼女がようやく手にした、自分の人生の証なのか。

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小説を読もう2026/05/15
  • 現在の作品そのお詫び、二十四通目ですので結構です 〜妹に婚約者を六回奪われた姉が、ようやく自分の人生を取り戻す話〜