あらすじ
世界最大の大陸「グラナ=ミール」において、額に角が生えることは破滅を意味する。
数年ごとに文明を焼き尽くす「災厄」の種――。そう呼ばれる『災厄の子』が現れたとき、人々は昨日までの隣人を迷わず突き出し、自分たちの安全のために殺害する。
そんな絶望の荒野で、少年の手を取ったのは『人間』ではなかった。
錬金術師の手によって命を吹き込まれた、人形の姫・ヴェラ。
そして、ヴェラの腹を引き裂いて産み落とされた、鏡写しの姿を持つ実の娘・エリン。
本来、救われるはずのない『災厄の子』を連れ、ヴェラは次元を越えた旅を続ける。
だが、その歩みの先に待ち受けていたのは、あまりにも残酷な世界の真実だった。
なぜ『災厄の子』は生まれるのか。
なぜ『魔王』は世界を蹂躙するのか。
そして――なぜ、神の剣は無慈悲に彼らを貫くのか。
「お遊びは、これでおしまいですわ」
語られる真実は、三百年にわたる神の自作自演。
愛も、悲鳴も、裏切りも。すべては神が『信仰』を収穫するために用意した、身勝手な舞台装置に過ぎなかった。
神の台本(シナリオ)を破り捨て、人形の姫が拳を振るう。
これは、家畜の如き運命を強いる「神」への、最も生々しい復讐と救済の物語。