あらすじ
平安の末、源平合戦において数々の戦功を挙げながら、兄・頼朝に疎まれ、追われ、ついには奥州衣川で自刃したとされる悲劇の武将がいる。
その剣は、数千を相手に怯まず、戦の流れを一瞬で変えた。その名は、勝利の象徴でありながら、同時に敗北の運命を背負っていた。
ひとりの女の心を救い、ひとりの女の誇りを守り、最後の最後まで、宿星に勝利を誓い続けた男の生涯。
本書は、史実と軍記、そして霊性が交錯する源義経の生涯を描いた物語である。その剣が振るわれたとき、何が斬られ、何が残されたのか。その恋が実ったとき、何が救われ、何が失われたのか。
これは、宿命と戦った一人の剣士の記録である。名を、源義経という。