あらすじ
グランツォーレ王国の王都の経済、その四割を実務で回していたのは、クロムウェル公爵家長女のオルテンシアだった。
彼女は完璧な次期王妃となるべく、文字通り泥まみれになって国を支えてきた。
しかし、実務能力が皆無で嫉妬深い王太子エドワードは、男爵令嬢にうつつを抜かし、オルテンシアを排除しようと企む。
彼は国王をも巻き込み、「領地からの通信遮断」「帳簿の偽造」「貴族への根回し」という徹底した裏工作を行い、建国祭の夜会で彼女を「国家反逆罪」として断罪した。
言い訳の機会すら与えられず、明日の極刑が確定する絶望的な状況。
だが、オルテンシアの中には「前世」の記憶があった。
彼女は現代日本で、倒産寸前の企業を駆けずり回って再建する、泥臭い『社畜コンサルタント』だったのだ。
「私を殺すのは簡単です。ですが、明日からの魔石の流通と経済は、誰が回すのですか?」
魔法もチートも使わない。
あるのは、血の滲むような実務経験と、ヤクザまがいの債権者と渡り合ってきた圧倒的な「交渉術(ハッタリ)」。
極刑宣告からの一発逆転。
そしてオルテンシアは、自ら婚約破棄を受け入れ、国を捨てることを宣言する。
彼女という最大の支柱を自ら手放した王家が、やがて急速に自滅(倒産)していくことにも気づかずに——。