あらすじ

婚約破棄は、終わりではなかった。 ——世界そのものが、「別の物語」へと切り替わる、始まりだった。 公爵令嬢オフィーリアは、長年「悪役令嬢」として扱われてきた。 王太子の婚約者でありながら、正論を言えば「冷たい」と嫌われ、現実的に動けば「意地悪」と断罪される。 愛され体質のリリアが何をしても許される一方で、オフィーリアは存在するだけで場の悪意を引き寄せた。 (おかしい。ずっと、何かがおかしかった) 違和感を抱え続けたその夜——舞踏会の場で、王太子エドガーはオフィーリアに婚約破棄を宣言する。 完璧な「テンプレ断罪」。 しかし、婚約破棄が成立したその瞬間、世界が変わった。 音楽の熱が消えた。 人々の目から、夢見るような光が消えた。 「かわいそう」という感情論が通じなくなり、代わりに「証拠は?」「責任は?」という言葉が飛び交い始める。 この世界には「ジャンル補正」が存在した。 婚約破棄までは「恋愛ジャンル」——愛される者が勝ち、感情論が正義で、偶然が主人公に味方する世界。 そして婚約破棄を境に、世界は「政治劇ジャンル」へと移行した。 実力。根回し。利益。責任。 それだけが結果を決める、現実の舞台へ。 リリアの「愛され補正」は消え、エドガーの「主人公補正」は消え——そしてオフィーリアの「悪役補正」もまた、消えた。 残ったのは素の実力だけ。 財政、外交、派閥調整——「悪役令嬢として邪魔だった」その全部が、今度こそ本当の武器になる。 宰相は言った。「ようやく世界が正常になったか」と。 これは逆転劇ではない。 ジャンルが変わっただけで、オフィーリアはずっと、正しかった。

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小説を読もう2026/05/14
  • 現在の作品婚約破棄された途端、この世界のジャンルが“恋愛”から“政治劇”に変わりました——もう“ヒロイン補正”では国は動きません