あらすじ

足利義政。 室町幕府第八代将軍。 後世には、応仁の乱を招いた「無責任な将軍」として語られる男。 目を覚ました俺は、その義政になっていた。 しかも、まもなく迎える妻は――日野富子。 のちに金と権力に執着した「稀代の悪女」と呼ばれる女だった。 だが婚礼の夜、俺は知る。 彼女は金を愛しているのではない。 銭の動きに映る、人の暮らしと世の機微を見つめているのだと。 ――この人は、世が好きなのだ。 ならば、悪女などと呼ばせたくない。 彼女の才が歪められ、悪評へ変わっていく未来を止めたい。 関東ではすでに享徳の乱が燃え上がり、 やがて日本を裂く応仁の乱も近づいている。 将軍の座は重く、幕府の政は複雑で、 未来を知っているだけでは何一つ解決しない。 それでも俺は、逃げないことを選ぶ。 噂ではなく人を見て、歴史の分岐点へ踏み込んでいく。 これは、 悪女を更生させる物語ではない。 歴史が妻を悪女と呼ぶ前に守ろうとする夫の物語である。

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カクヨム
カクヨム2026/05/14
  • 現在の作品妻が悪女と呼ばれる前に――無責任将軍に転生した俺は応仁の乱を止めたい