あらすじ
気づけば、知らない世界にいた。
魔物が人を襲い、兵士たちが戦う——よくある異世界の光景。
だが九条は、それに興味を示さなかった。
彼にとって重要なのは、“何が起きているか”ではなく、
“なぜそうなるのか”という構造だけ。
魔物を排除しながら観察を続ける九条の前に現れたのは、
逃げもせず、戦いもせず、ただこちらを“観察する”少女。
——そして彼女は、言葉を持たなかった。
代わりに使うのは、指の動きによる“未定義の言語”。
既存のどの体系にも属さないそれを、九条は解体し、再構築する。
「君は、何だ?」
「……あなたは、壊す人?」
言葉にならないもの同士が接触した時、
世界の“認識”は書き換わり始める。
これは、言葉で世界を解体する男と、
言葉を持たない少女が“会話を作る”物語。