あらすじ
世界が裂け、異界の『門』が開く。
その歪みから現れる異形の化物『禍滲』は、絶えずこの世界を脅かしてきた。
識島ではその脅威に抗うため、四大武家が長く戦いの要を担っている。
風斎、妻鳥、雪簇、月渓。
選ばれた血を保ち、継いできた彼らは世界の根源に満ちる力『綾』を掬い、織り、武具と術に変えて、禍滲を斬り、国を守る。
そしてこの世界にはもうひとつ、理不尽に「選ばれて」しまう者たちがいる。
人智を超えた力を宿し、代償として何かを奪われて生まれる者――『天宿り』。
それは天の祝福ではなく、只人の生を歪める災禍であった。
禍滲との終わりなき戦い。
家のために生き、国のために死ぬ者たち。
そして、望まぬまま与えられる過ぎたる力。
識島は、そうした理不尽の上に、かろうじて均衡を保っている。