あらすじ
冴えない中年会社員・羽山成智。
恋愛も、仕事も、人生そのものも“少しずつ遅かった”男。
彼の唯一の救いは、風俗店で過ごすわずかな時間だった。
ある夜。
唯一、心を許せた女性との別れ際、心臓発作で死亡した羽山は、異世界へ転生する。
そこで与えられた能力は、《異種交配》。
人間、魔物、亜人――
あらゆる生命を組み合わせ、新たな命を生み出す禁忌の力だった。
差別され、行き場を失った者たちを救うため、羽山は小さな共同体を築き始める。
だが、命を創るということは、命を選ぶということでもあった。
増え続ける人口。
才能による選別。
制度化される欲望。
娯楽として消費される生死。
やがて共同体は国家となり、国家は世界を支配する巨大文明へ変わっていく。
時代が進むたび、人々は彼を違う名で呼んだ。
王。
創造主。
そして――神。
これは、誰にも求められなかった男が、世界そのものに求められる存在となり、
少しずつ“人間だった記憶”を失っていく物語。