あらすじ

高齢者施設で働く派遣ナース・美和は、 入居者の節子さんに小さな違和感を覚えていた。 真冬なのに「暑いですね」と言い、 花火や風鈴、夕立の話ばかりをする。 まるで、彼女だけが ずっと夏の中にいるようだった。 穏やかで、優しくて、 少しだけ季節を間違える人。 けれど、その部屋に残されていた 古いアルバムと、 めくられることのなかった一冊のカレンダーが、 美和にその理由を教えてくれる。 人は、とても大切なものを失った時、 そこから先の季節を 生きられなくなることがある。 その部屋だけ、 まだ昭和が続いていた。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/05/14
  • 現在の作品その部屋だけ、まだ昭和だった