あらすじ
数百年に一度、世界は神々の加護を失う。 北の国では朝が来ず、南の森では雨が止まらない。 港町は海に沈み、麦畑は灰になり、王都では神殿の鐘が鳴るたび病が広がっていく。 人々は祈る。 神々を愛しているからではない。 祈らなければ、次に何を奪われるか分からないから。 辺境の祈り手の少女**リュシェリア・エルフェイン**は、大神殿から「夜明けの巫女」に選ばれる。 彼女に課せられた使命は、勇者一行とともに各地の神域を巡り、失われた加護を取り戻すこと。 勇者。 騎士。 魔術師。 斥候。 そして、彼女を静かに守る青年。 仲間たちは強く、優しく、どこか寂しい。 旅の中で、リュシェリアは少しずつ違和感を抱く。 なぜ、誰も本当の敵の名を語らないのか。 なぜ、神域に近づくたび仲間たちは別れのような顔をするのか。 なぜ、人々は命の喪失を「尊い」と呼んでしまうのか。 それでも少女は信じていた。 夜明けは来る。 世界は救える。 この人たちとなら、最後まで歩いていける。 これは、神々に祈る世界で、ひとりの少女が本当の夜明けへたどり着くまでの物語。