あらすじ

第二王子シリル・レイヴァルトは、ある夜、王宮から姿を消した。 目を覚ました時、彼は人の姿も、声も、魔力も奪われ、小さな白い犬の姿に変えられていた。 誰にも自分が王子だと伝えられない。 王宮へ戻ることもできない。 そんなシリルを拾ったのは、見習い魔導師の少女フィオナだった。 フィオナは彼をただの犬だと思い、「ノクト」と名づける。 けれど、ノクトはどこか普通の犬ではなかった。 抱き上げれば怒り、可愛いと言えば睨み、床を叩いて何かを伝えようとする。 やがてフィオナは、紙に書いた言葉をノクトに選ばせながら、彼の意思を少しずつ拾い上げていく。 『兄上』 『王都』 『危ない』 その言葉の先にいたのは、行方不明となっていた第二王子シリル。 そして、彼を奪った黒い封印と、王宮に潜む陰謀だった。 声を失った王子は、言葉を拾う少女と出会い、兄のもとへ帰るために歩き出す。 奪われた名を。 奪われた声を。 奪われた姿を。 そして、自分が自分であるという誇りを取り戻すために。 白い犬として拾われた王子と、彼の声にならない言葉を見つけた少女の、帰還と再生の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/05/14
  • 現在の作品拾われた白い犬は、奪われた王子でした