あらすじ

五月某日未明、房総半島沖で漁船が一隻消息を絶った。海上保安庁は「大型海洋生物との衝突の可能性」とのみ発表し、報道はわずか二十秒で終わった。 同日朝。物流会社の中間管理職・西村浩司は、いつもの京浜東北線で東京駅に向かっていた。千葉の営業所との通信途絶、大田区での正体不明の生物による人身事案――断片的な異変の報は、夕刻には首都全域を覆う未曾有の事態へと転じた。 交通網は寸断され、通信基盤は崩壊し、首都圏は機能を喪失していく。 埼玉の自宅には妻と六歳の娘が残されている。特殊な技能も装備も持たない一介の会社員に許されたのは、家族のもとへ戻るという一点の意志だけだった。

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カクヨム
カクヨム2026/05/13
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