あらすじ
超人気エロゲー『ロリコン・ファンタジア』の世界に、貴族の放蕩息子として転生した俺。
目の前には、攻略対象である聖女や王女といった華やかなメインヒロインたちが勢揃いしている。……が、俺の視線はその斜め後ろ、冷ややかな視線を送る一人のメイドに釘付けだった。
彼女の名は、設定資料集の隅に数行だけ記述がある「名もなきメイド」。
本編では一言二言の毒舌を吐くだけの背景キャラだが、俺だけは知っている。
彼女には、特定の条件を満たした後の「おまけシナリオ」でしか明かされない、あまりにも健気で、あまりにも愛らしい「真の素顔」があることを。
「そんなにジロジロ見て、頭でも沸いているのですか? 死ねばいいのに」
周囲が彼女を「愛想の悪い欠陥品」と蔑む中、俺だけは確信していた。
その三白眼も、トゲのある言葉も、すべては不器用な彼女なりの自己防衛であることを。
俺は決めた。メインシナリオなんて知ったことか。
俺は持てる知識と権力をすべて注ぎ込み、彼女のコンプレックスを「魅力」として全肯定し、彼女を世界一のヒロインへと変貌させてみせる。
これは、本来結ばれるはずのなかった「名もなきモブ」と「脇役の俺」が、最高に甘いハッピーエンドを掴み取るまでの物語。