あらすじ
十八年前、海上研修施設で十二人が死んだ。
事故の記憶を悼むため再整備された追悼施設・青燐荘に、真壁、二階堂、九条、鳳、そして防災学習の引率で訪れた教師・江口桜次郎が集まる。
追悼膳で起きた毒物未遂。使えなくなる救命ボート。戻らない設備責任者。
逃げ場のない海上施設で、過去の“救助順”が、現在の殺人順へと変わっていく。
【おもな登場人物】
主要人物
真壁 彰
警視庁捜査一課の刑事。海上施設・青燐荘の危険な動線にいち早く違和感を抱く。
二階堂 壮也
警視庁総務部広報課の警部補。事故資料や追悼施設の“主語を消した言葉”に敏感に反応する。
九条 雅紀
大学法医学教室所属の法医学者。十八年前の事故資料に「死因より救助順が詳しい」不自然さを見る。
江口 桜次郎
防災学習の引率で青燐荘を訪れた中学教師。軽口が多いが、生徒の不安には誰より早く気づく。
鳳 恭介
京東大学工学部建築学科の准教授。青燐荘の構造から、施設が隠している“優先順位”を読む。
青燐荘関係者・参加者
今西 琴葉
青燐荘の運営責任者。整った物腰で施設を管理するが、その冷静さがかえって不穏に映る。
安西 実結
青燐荘の記録係。目立たないが、誰が何を言ったかを正確に記録している。
谷本 亮一
青燐荘の設備責任者。橋やボートの点検を担う、施設の安全を支える現場の人間。
浜島 莉子
十八年前の事故で兄を失った遺族。追悼膳で最初に命を狙われる。
笠木 浩明
元海上保安官。海と救助の現場を知る、静かな経験者。
高柳 真治
事故当時の通信士だった男の息子。父が背負ったものを知ろうとしている。
吉住 俊太郎
事故検証委員会の報告書作成に関わった人物。文書と理屈で過去を整理しようとする。
川原 由美
事故生存者の親族筋の女性。青燐荘で起きる異変に強く怯える。
黒崎 透
開発会社社員。青燐荘の再整備計画に関わった、言葉の滑らかな男。
生見 彩音
防災NPO職員。十八年前の事故資料を独自に調べている。
白川 一冴
元施設職員の息子。父が事故当時に何かを知っていたと考えている。
汐崎 瑚子
SNS記者。追悼会と事件の空気を、外へ向けて切り取ろうとする。
生徒
遠里 陽
江口が引率する生徒の一人。江口の軽口に反応し、先生との距離感を見せる。