あらすじ
なぜ、平凡な男が「はんだごて一本」で、世界最強の独裁政権を敵に回す道を選んだのか。
その引き金となったのは、昨日まで隣で笑っていた仲間たちが、ある日突然『国家の敵』に仕立て上げられ、ひとり、またひとりと消されていく不条理への怒りだった。
2002年3月5日。中国・長春。テレビ画面が突如切り替わり、五十分間にわたり“国家が隠してきた真実”が流れ続けた。
一人の男の執念に恐怖した国家は、その後、二度と「真実」を侵入させないために、巨大なデジタル監視網を築き上げていく。その原点が、この五十分間に隠されている。
国家が平然と嘘をつき、国民の目を塞ぐことへの、人間としての根源的な抵抗。はんだごて一本で彼が繋いだのは、電波ではなく、奪われかけた『尊厳』そのものだった。