あらすじ

ダンジョンとは、未知の資源鉱山ではない。 異世界法則が現実へ漏れ出す、“災害”である。 魔石は都市の電力を支え、 菌糸素材は医療を維持し、 地下資源は国家経済を動かしている。 人類はダンジョンを利用しなければ生きられない。 だが同時に、 ダンジョンは少しずつ世界を侵食している。 空間歪曲。 認識異常。 生態侵食。 時間障害。 完全封鎖すれば社会が止まる。 利用を続ければ侵食が広がる。 それでも人類は、 崩壊を先送りするために今日も管理を続けていた。 災害専門機関《侵食災害管理局》封鎖班主任・榊伊織は、 かつて封鎖判断の遅れによって数万人規模の汚染災害を引き起こした過去を持つ。 以来、彼は誰より早く封鎖を判断するようになった。 切り捨てが早い。 冷徹。 危険人物。 現場ではそう呼ばれている。 そんな彼のもとへ、 地下インフラ区域《第七地下接続駅》で発生した異常侵食災害の報告が届く。 最初はただの菌糸汚染のはずだった。 しかし侵食は地下水脈へ広がり、 認識異常を伴い、 やがて封鎖班すら理解できない“深層”へ繋がっていく。 位相壁技師。 深層圧観測士。 地脈遮断オペレータ。 認識同期医。 これは勇者でも英雄でもない、 疲弊した災害技術者たちの物語。 勝利条件は討伐ではない。 被害を、 少しでも遅らせること。 人類はまだ勝っていない。 それでも封鎖班は、 今日も地下へ降りる。

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小説を読もう2026/05/14
  • 現在の作品『ダンジョンは封鎖できません 〜侵食災害管理局・封鎖班〜』