あらすじ
「申し訳ないが、私に触れないでほしい」
借金のかたに「冷血」と噂される公爵へ売られた、子爵令嬢リーゼロッテ。
覚悟を決めて踏み込んだ初夜の寝室で待っていたのは、
床に正座して頭を下げる夫の姿でした。
『三年経ったら、相互合意で離縁できる』
サインしたのは、ただそれだけの契約結婚。
妹のためにここまで来た私は、彼に深く関わらないと決めたのです。
ところが――
実家に戻ると言えば、馬車を追いかけて青ざめる公爵様。
夜会で絡まれれば「私の妻に触るな」と低い声で守ってくれる公爵様。
気づけば私の机を、ご自分で磨いている公爵様。
「冷血、って、噂じゃなかったの?」
一方の公爵エイベルは、十六年前のある秋に、
森で迷子になった自分を救った少女を、ずっと探していました。
最悪の形でしか彼女を迎えられなかった自分を恥じ、
「触れないこと」「三年で自由にすること」を誓うのです。
彼女に愛される資格はない――。
そう信じる公爵と、
「冷血と噂なのに優しい。でも私のことは嫌いそう」と勘違いするヒロイン。
両片思いのまま、季節は巡り。
妹が攫われ、共闘し、ようやく明かされる十六年前の真実。
そして契約書の、新しい一行――。
「破りません。私は三年後、合意しません」
冷血公爵の、本当の春が始まる。
不器用なワンコ公爵×地に足のついた聡明ヒロインの、
攻守逆転じわ恋契約婚ファンタジー。