あらすじ
前世の記憶を持つ青年カインは、額に聖者の痣を持って生まれた。
しかし、王宮の水晶で魔力を計測した結果は「ゼロ」。
偽聖者の烙印を押され、彼はすべてを奪われて雪降る山脈へと追放されてしまう。
凍える雪の中で命を落としかけたカインを救ったのは、白銀の毛並みを持つ巨大な神獣と、隣国エルトリアの若き国王ライアスだった。
「俺の傍にずっといろ。客としてではなく、王配として」
氷のように冷徹なはずのライアスは、カインが持つ前世の知識と温かな人柄に強く惹かれ、彼のためなら国法すら変えるほどの異常な執着と溺愛を見せ始める。
さらに、白狐、黒狼、水獺、白熊といった最強の高位神獣たちまでが次々とカインに懐き、気がつけば毎日のようにもふもふの毛並みに埋もれる生活に。
一方、カインを追放し、他者の魔力を搾取する偽聖女を崇めた祖国は、やがて取り返しのつかない破滅の危機を迎えていた。 だが、カインにもう未練はない。
これは、理由もなく捨てられた青年が、新しい居場所で神獣たちと一国の王に深く愛され、やがて真の幸せを手に入れるまでの物語。
【登場人物紹介】
◇カイン・ハルネ
本作の主人公。
日本の大学院で民俗学と魔術史を専攻していた青年の転生者。
額に白金色の六芒星の痣を持つ聖者候補として召集されるが、魔力計測でゼロを出したため追放される。
前世の知識を持ち、誰に対しても誠実で穏やかな気性。
エルトリア王国で四体の神獣に異常なほど懐かれ、毎日のようにもふもふの毛並みに埋もれている。
◇ライアス・フォン・エルトリア
神獣と人が共存するエルトリア王国の若き国王。
銀髪に鋭い翠色の眼差しを持つ美丈夫。
常に冷静沈着で理性的だが、カインを拾って以来その人柄と知識に強く惹かれていく。
カインに対する執着は深く、彼のためなら国法すら即座に変えるほどの行動力を見せる。
◇アリア・クロスフィールド
ヴァルハイン王国の真の聖女として認定された転生者の少女。
乙女ゲームの攻略知識を利用して権力を握ろうと画策する。
持ち込んだ呪符の書籍によって他者の信仰心を魔力に変換しているだけの、魔力を持たない偽物。
◇ガルシア・ヴァルハイン
ヴァルハイン王国の国王。
計測器の数値を妄信し、カインを偽物と決めつけて国外追放を命じた。
◇エリオ・カルナ
エルトリア王国の宰相。
ライアスの右腕であり優秀な文官。
カインの知識と技術に驚愕し、次第に有能な相談役として頼るようになる。
王の並々ならぬ溺愛ぶりに頭を抱える苦労人。
◇シロ
人ほどの大きさを持つ白銀の狐の神獣。
カインが追放された夜明け前から彼に寄り添い、雪山で命を救った。
◇クロ
巨大な黒狼の神獣。
深夜にカインの部屋に侵入し、そのまま背中の上を定位置とする。
◇コン
金色の毛並みを持つ水獺の神獣。
海辺の神獣でありながらカインの肩の上がお気に入り。
◇ユキ
まだ子供サイズの白熊の神獣。
カインの腹の上で眠る事が多い甘えん坊。