あらすじ

「――ルイ。バイタルチェック終了。聞こえるか」 無機質な声。現実に引き戻される。 冷たいヘルメット。首筋のケーブルから、微弱な電流が這う。 「聞こえてます。……昔の夢を見てました」 狭いコックピット。額の汗を拭う。 息が荒い。心臓がうるさい。 「夢を見る暇はない。第4セクターに所属不明機。出番だ」 「了解。いつでも」 神経接続(ニューラルリンク)型機動兵器。 カメラの視界が脳へ直接流し込まれる。機体のダメージは、激痛――シンクロ・ペイン――としてフィードバックされる。 軍人は精神を壊した。 だから元プロゲーマーが雇われた。VRで『痛覚』に慣れた神経だけが、この鉄のバケモノを動かせる。 「頼むぞルイ。お前は最高の『処理能力』を持ってる」 「買い被りです。ただのゲーマーですよ」 「謙遜するな。終わったら、念入りに『メンテナンス』してやる」 笑みを返す。思考を切り替える。 『ニューラル・ボーダー、同調率98パーセント。出撃』 スラスターが火を噴く。強烈なGが全身を潰す。 肺の空気が抜け、視界が暗転する。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/05/13
  • 現在の作品NEURAL BORDER(ニューラル・ボーダー)