あらすじ
母が病で亡くなった。私がまだ幼い頃の出来事だった。
死というものについて何も分かっていない私へ父は言った。
「お母さんはね、あの星へ行ったんだよ」
空を見上げると、そこにはビー玉みたいに綺麗な惑星が浮いていた。
お母さんはあの星で私を見守ってくれている。それなら私だって頑張らないと。
その思いを内に秘め、お店の仕事を手伝い始めた。
そして何年も時は過ぎ――
それはいつものようにお店の看板を開けた時だった。
ズドンと大きな音ともに楕円形の何かが空から降ってきた。
悲鳴をあげるのもつかの間、
煙を吐きながらその楕円形の「何か」がゆっくりと開く。
そこにはヘンテコな格好をした人間がいた。
「無事に着陸したであります……!」
「え…………っと、あなたは……?」
困惑する私へその人間は言った。
「わたしはあの星からやって来ました。探査員のマーレイです!!」
彼女がビシッと指さした先には、あの惑星がいつものように浮いていた。
「あの星……?」
私の疑問が解消されないまま、
マーレイと名乗る女性は自分が収まっていた何かから飛び降りようとした。
とうっ、という間抜けな掛け声とともにジャンプをし、そして縁に足をひっかけ顔から地面にダイブした。
「いてて……であります……」
2度目の着陸は失敗に終わったようで。
見てられないので、仕方なく手を差し伸ばす。
「……ありがとうであります!」
こうしてマーレイと私の奇妙な日常が始まるのだった。