あらすじ

素直になれない女の子と、本気を隠し続けた男の子の、はじまりの恋。 桃花は、気が強い。 何でもそつなくこなせて、友達も多くて、どんな時でもうまくやれる。 でも蓮のことだけは、うまくやれなかった。 喉から手が出るほど好きなのに、言えない。 告白して親友関係が壊れるくらいなら、このままでいい。 そう強がっていた。 でもそれは強がりじゃなくて、逃げていただけだって、ある夜気づいてしまった。 蓮は、たらしに見える。 恋人が変わって、軽口を叩いて、誰にでも感じが良い。 でも本当は違った。 本気になる前に逃げていただけだった。 愛を知らないんじゃなくて、愛を知ったら戻れないことが怖かっただけだった。 そんなふたりの間に、桃色の缶がある。 高熱で倒れた桃花の元に、蓮が桃缶を持って現れた日。 泣いてしまったのは、熱のせいじゃないと、自分でも分かっていた。 冷えてない方を選んでいたのは、ずっと見ていたからだと、蓮は気づいていなかった。 同じ場面なのに、ふたりの景色は全然違った。 桃花には見えていなかったものが、蓮の目には映っていた。 蓮が隠していたものが、桃花には届いていた。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/05/13
  • 現在の作品桃色の夜に、きみがいた