あらすじ
世界中に『ダンジョン』が出現して十年。現代兵器の通じない魔物に対し、人類は『探索者』というジョブに希望を託していた。
零細探索者ギルドに所属するゼンノは、魔法の才能が一切ない「無能」として、ギルドの雑用係に甘んじていた。
周囲の探索者たちが派手な魔法や最新の魔導銃で戦う中、彼が手にしているのは古臭い「紙の札」と「数珠」だけ。
しかし、誰も知らなかった。ゼンノの正体は、千年前の平安時代から転生した、当代最強の安倍晴明を越える陰陽師であることを。
ある日、ダンジョン配信中のトップ探索者パーティーが、最深部で「現代兵器完全無効」の怪異に遭遇し、絶体絶命の危機に陥る。
「……やれやれ、これだから現代の『魔法』とやらは不便なんだ」
雑用として同行していたゼンノは、画面の向こう側にいる数千万人の視聴者の前で、静かに印を組んだ。
「急々如律令――退け」
一閃。
最強の探索者たちが手も足も出なかった怪異が、たった一枚の符で灰に変わる。
その瞬間から、現代社会における「最強」の定義が塗り替えられることになった――。