あらすじ
高校二年生の沢渡有里は、ある月曜日の朝、住宅街を駆け抜ける白いウサギを目撃する。学校への遅刻を覚悟で後を追った先には、古いマンション「サニーハイツ若葉」があり、半開きの自動ドアの奥で管理人の老人が倒れていた。救急車を呼んで老人を助けた有里だったが、現場に残された奇妙な違和感――濡れていた床、半開きだったケージ、そしてなぜか外を走っていた白いウサギ――が頭から離れない。やがて有里は、このマンションの建て替えをめぐる住人たちの対立と、一週間前に起きた住人男性の「転落事故」、そして老人の転倒事件が、見えない糸で結ばれていることに気づいていく。