あらすじ

かつて、この世界を絶望の淵へと叩き落とした一冊の魔導書があった。 「黒本(ブラック・ブック)」 その禁忌のページを開き、英知に触れた者は、身も心も呪われし黒い魔物へと変じ、理性を失った異形へと成り果てるという。 この世の精霊術を管理し、理(ことわり)の伝承を司る「魔法教会」は、この未曾有の脅威に対し、各地から名だたる冒険者たちを召集。精鋭による「討伐隊」を結成し、闇の浸食を食い止めようと死闘を繰り広げていた。 しかし、混沌を極める世界は、さらなる深淵を招き入れることになる。 大陸に覇を唱えるブランゼル王国の王が、禁じられた古の魔王と血の契約を結んだのだ。王は己の魂と引き換えに、一段上の精霊世界から、人の理解を超えた七人の「魔将軍」を現世へと呼び出した。 魔王の加護を受けた彼らは、もはやこの世の軍勢で抗える存在ではなかった。 ほどなくして、魔将軍たちは漆黒の軍勢を率いて進軍を開始。由緒ある町を焼き払い、平和な村々を蹂躙し、ブランゼル王国の旗印の下に恐怖の支配を広げていった。 そして今、その魔の手は、人里離れた辺境の村にまで伸びようとしていた。 一人の魔将軍が放ったのは、非情なる「死の宣告」。 抗う術を持たぬ村人たちが最後に縋ったのは、かつて黒本の脅威から世界を救おうとした魔法教会への救援依頼であった。 死を待つのみとなった静かな村に、教会の紋章を掲げた討伐隊が到着する。 その中には、自らの宿命と、右側に二本の腕を持つ我が子の運命を背負った一人の女戦士、カトリーナの姿があった――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/05/13
  • 現在の作品チャリオット