あらすじ

猫のジロウが死んでいた。 段ボールを探してこなきゃいけない。彩乃が帰る前に、何とかしなきゃいけない。 でも体はまだ柔らかかった。急がなくてもいいと思った。 それに、俺は酒が飲みたかった。 大学を出て就職しなかった二十六歳の岸本渉は、バイクで国道24号に出る。 公園で老人からチューハイを一本もらい、国道沿いの居酒屋で五杯飲み、夕暮れの奈良を走って帰宅する。 彩乃の車はなかった。 ローテーブルの上に、折り畳んだ紙があった。 「猫のこと、ちゃんとしてあげて。彩乃」 ジロウはもう死んでいた。彩乃はそれを知らなかった。 あるいは知っていて書いたのか。俺には分からなかった。

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カクヨム
カクヨム2026/05/13
  • 現在の作品ジロウのこと