あらすじ

入社2年目、24歳の高山仁の朝は、視界に現れた青いウィンドウから始まった。 『未来予知システム ver.0.0.1』 知りたい未来を入力すれば、教えてくれる。ただし「代償」と引き換えに。明日の天気のような軽い未来なら、ランチを抜く程度。だが、競馬の結果や人の本心といった重い未来になると、身体の一部や寿命を要求してくる。 蓮の同じ部署には、3年先輩の桐谷涼香がいる。長身、長い黒髪、無表情、仕事に厳しい。新人の蓮を毎日のように指導し、容赦なくミスを指摘する。 ある日、蓮は厳しく指導されたあとで、自分の気持ちを抑えきれずに能力を使ってしまう。「桐谷涼香は俺のことをどう思っているか」と入力して。 選んだ代償は、「先輩の前でだけ嘘がつけなくなる」。 知ってしまった真実は、桐谷の――溢れるほどの好意だった。 無表情の裏で、桐谷は蓮のことが大好きだった。ぬいぐるみに毎晩相談するほど。 知ってしまった責任。覗いた罪悪感。そして、嘘がつけない代償で、雑談中に出る本音の暴走。「先輩、今日も綺麗ですね」「シャンプーいい匂いです」「笑顔の方が可愛いです」 冷徹な先輩は、毎日、内心で爆発している。 これは、未来予知より、目の前の人を見るべきだったと気づく男の、不器用で甘い、両片思いの記録。 ──未来は知れる。でも、目の前の彼女の気持ちは、ちゃんと向き合わないと、知れないんだ。

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カクヨム
カクヨム2026/05/13
  • 現在の作品未来予知の代償が「先輩を直視できない」だった件 ~冷徹な先輩の本心を覗いてしまった俺の、不器用な恋愛事情~