あらすじ
孤独と自己喪失に苦しむ少年・赤司椿は、他人に肯定ばかりを繰り返すうちに自分自身を見失っていた。雪山で命を絶とうとする中、彼はかつて心に残っていた少女の名――「エリカ」を無意識に呼ぶ。すると意識を失った彼は、一人の女性に救われる。
目を覚ました椿の前にいたのは、「エリカ」と名乗る女性だった。彼女との会話の中で、椿は昔“カメリア”という偽名で過ごしていた頃に出会った、白髪の少女エリカの記憶を思い出していく。そして彼女からの質問によって、目の前の女性こそそのエリカ本人だと確信する。
かつて病弱だったエリカは養子として迎えられ、外で暮らすために髪色を変えていた。偶然の再会は、雪の中で絶望していた椿に再び生きる理由を与える。
やがて椿は“カメリア”としてこの家で暮らすことになり、孤独だった「赤司椿」は少しずつ救われていく。これは、失われた自分と大切な人を取り戻す、冬の奇跡の物語。