あらすじ
――この物語は、「崩壊した後の世界」を描いているのではない。
正確には、「機能を失ったまま続いている社会」を描いている。
西暦2500年。
人類は科学技術の発展によって、ほぼすべての“物理的問題”を解決した。
飢餓、疾病、労働効率、エネルギー問題。
それらは解消された。
だがその代償として、「社会そのものの意味」が崩壊した。
人は生きるために働く必要がなくなり、
国家は国民を管理する理由を失い、
資本主義は価値の基準を喪失した。
その結果、
・極端な個人主義の蔓延
・国家機能の形骸化
・統治の放棄
が起きた。
つまり世界は、
「壊れた」のではなく
「誰も責任を持たなくなった」
だけである。