あらすじ
人の強い感情は土地に残り、“残滓”となる――。
そんな古い言い伝えが残る町で暮らす高校二年生のヒロは、明るく誰にでも好かれる幼馴染・カナと毎日を過ごしていた。
陰気で他人と距離を置くヒロと、太陽のようなカナ。
正反対の二人だったが、幼い頃からずっと一緒だった。
しかし、ヒロの中に積み重なっていた劣等感と孤独は、少しずつ歪み始める。
そして雨の日。
山の神社で起きた、取り返しのつかない事故。
幼馴染の失踪。
死体遺棄。
警察の捜査。
やがてヒロは自ら罪を告白し、世間から“殺人犯”として報道される。
牢獄の中で彼を追い詰め続けるのは、
死んだはずのカナを思わせる“鈴の音”だった。
後悔と執着が残る場所で、
壊れてしまった少年の末路を描く鬱系短編小説。