あらすじ

雨の夜にだけ、路地裏に灯る古い写真館がある。 そこに迷い込むのは、忘れたふりをしてきた自分を、まだどこかで手放せずにいる人たち。 面影写真館で撮るのは、来客本人の写真。 けれど写るのは、今の顔でも、理想の自分でもない。 心の奥に置き去りにしてきた“面影”。 「本当の自分を知りたい」では、写真は真っ白になる。 「会いたい」と言えた時だけ、忘れたふりをした声まで現像される。 来客を案内する青年は、いつも淡々としている。 怒りも、涙も、ありがとうも、彼にはまだ、うまく受け取れない。 けれど、人々が面影と向き合うたび、彼の中にも消せない温度が残っていく。 これは、置き去りにした自分を、責めずに迎えに行く物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/12
  • 現在の作品面影写真館